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「森は人間を必要としないが、人間は森がなければ生きられない」

これはフィンランドのある父親が息子に語った言葉です。
その息子は有名な建築家になって自然の大切さを世界に訴えたのです。
それから80年後の今、この父親のことばが現実味を増しています。

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限界耐力計算って何?


突然難しい計算の話か、と思われるかもしれませんが、実は日本の伝統的な木造建築はこの計算法がないと新築も増築も、改修すらできないのです。

そんな馬鹿なと思う方が多いと思いますが、実はこれが日本の伝統建築物の悲しい現実なのです。

法隆寺や東大寺など多くの文化遺産がありながら、なんでこんなことになったのか大変理解に苦しみます。なぜこんなことになったのか、誰が悪いのかはここでは述べませんが、今年になってこの状況が大きく変わろうとしています。

多くの学者や技術者がこの現実と戦い続け、今年6月に遂にこの「マニュアル本」が出版されました。

実は2004年に同じ「マニュアル編集委員会」が同様のマニュアル本を出版していましたが、今回は以前より圧倒的に実用的になっています。

ところで限界耐力計算とはどのような計算方法なのでしょうか。

簡単に言えば 

地震時の建物の変形量で良し悪しを判断する方法です。

ですから私は「限界変形計算」とする方がピンと来ると思うのですがなぜか、限界耐力計算となっています。

これに対して「許容応力度計算」や「保有耐力計算」は建物が耐えられる「」の大きさで判断していました。

もう少し専門的に言えば限界耐力計算とは

時刻歴応答計算の簡易版ともいえます。

時刻歴応答は高性能のコンピュータがなければ計算できませんが、この限界耐力計算はEXCELで計算できます。

これを受けて「北九州 木の家の会」でも、素材供給から設計施工まで伝統構法への対応が可能となりました。

今後積極的に伝統構法の受注に取り組む予定です。

八月に京都で開催予定の出版講演会に参加する予定ですので、その後また詳しく報告したいと思います。
2019/07/21(日) ニュース コメント(0)

BIMって何だ?

 最近、建築設計の業界ではBIMという言葉が流行っています。

  私だけが遅れていて、実は随分前からBIMはあったようです。それがパソコンの性能向上と価格低下により我々のような零細設計事務所でも手の届く範囲になったということでしょうか。

 講習会の内容やネットの情報を総合するとBIMとは

 3D CAD を活用したモデリングシステムです。

例えば下に示すモデリング画像のようなものをまず作成しなければいけません。

江口邸_0

PCでパースを作った方は分かると思いますが、モデリングにレンダリング処理を行うと写真のような画像ができます。

このパースを基本にして実際に建設する建物をパソコンの中に完成させます。

この完成モデルを平面や鉛直断面で切って、2D図面を作成すると同時に、建材の数量も積算して見積もりも作るというものです。

この完成モデルを設備屋さんと共有すれば、設備の設計もできてしまうのです。

つまり建物をパソコン内で完成させ、それを2D図面にばらして設計図書にするわけです。

 以上のシステムは実は真新しいものではありません。

 私自身ももう十年前からPCでパースを作成していました。Sketchupという無料のソフトです。それを断面で切れば二次元になりました。

 ただ、Sketchupでは「図面」というには粗すぎるものでしたが、BIMソフトでは建築図面として出来上がり確認申請までできるようです。
 
問題は構造計算との一貫性です。

 BIMソフト各社の説明では既存の計算ソフトとの連携は可能だがモデルから構造計算までの一貫性はまだありません。

 構造モデルは別の一貫計算ソフトで別途作成して、計算するのが現状です。一部のBIMソフトでは構造モデルまで作成してそれを 一貫計算ソフトへ渡すことができるそうです。

 構造計算との連動は今後の課題でしょうが、構造計算までできる一貫 BIMの実現もそう遠くないと思います。

現に上に示したモデルは木造の一貫計算ソフトによるものですが、仕上げ材、構造部材の属性や接合部の仕様を入力すれば

計算してくれます。このような一貫計算ソフトはすでに多数あります。

 このシステムを意匠設計に使えるようにすればBIMになるわけです。

今まではBIMは大変高価なシステムでしたが、ここ数年で間違いなく価格が下がるでしょう。

そうすれば、私のような弱小事務所でも導入できるかもしれません。

それこそ一人事務所に3人力の優秀なスタッフが働いているのと同じで、大手と弱小設計事務所の格差は無くなるでしょう。

SF映画のように、AIと対話しながら建築設計ができる日もそう遠くありません。

残念ながら、私の場合は年齢的に間に合わない可能性が高いのですが・・・・・・。

 
2019/04/29(月) ニュース コメント(0)

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