「森は人間を必要としないが、人間は森がなければ生きられない」

これはフィンランドのある父親が息子に語った言葉です。
その息子は有名な建築家になって自然の大切さを世界に訴えたのです。
それから80年後の今、この父親のことばが現実味を増しています。

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古民家は強いのか弱いのか?

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 古民家は材料も太いし、柱は石の上に載っているだけで免震構造だから地震には強いだろう、と考える人がいれば、一方で全く逆の考え方をする人もいます。

 法隆寺は1300年以上も倒壊しないかと思えば阿蘇神社は今回の熊本地震で倒壊しています。一体どっちが真実なのか。
残留変形
この写真は「建物修復支援ネットワーク」さんの写真ですが古民家または伝統建築物の地震に対する対処法をよく表しているので使わせていただきました。

古民家は弱くて強い、というのが私の見解です。

判り易く言えば「柔らかくて倒れない」とも言えます。柔道の極意みたいなものです。

関東大震災の後「柔剛論争」が起こって剛派(T大学派)は筋交いを多用した現代の木造建築を推奨し、基準法にもなりました。

一方で古民家のような伝統建築は柔構造で危険だということになり、基準法から消えたのです。

どっちが正解か?答えはどっちも正解なのです。

というのも現在の耐震設計は弾塑性解析に基づいており弾性(剛性)と塑性(柔性)を考慮するからです。

鉄筋コンクリート造は剛構造に思えますが鉄筋の助けを借りて柔性を付加しています。鉄骨造は元々弾塑性の典型的な材料で構成されています。

それでは木造は、といえば現代住宅は金物の助けを借りてはいますが筋交いや枠組み壁構造は「剛」に近い。
固有周期が短い建物ですから比較的短周期の地震が来ると共振して倒壊しやすくなります。

古民家は「柔」構造で固有周期は長周期ですから長周期の地震で共振して倒壊します。

伝統建築でも地震動の特性によって、言い換えれば建っている場所の違いで、壊れたり壊れなかったりするのです。

阿蘇神社の桜門と拝殿は比較的長周期の地震動に共振したものと思われます。

加速度

このグラフは加速度応答スペクトルといわれるもので、地震による建物被害を知ることができる典型的なグラフです。

現代建築の固有周期は0.5~1.0sの間位です。伝統建築は1s以上が多いといわれています。

熊本地震はピンク色の線ですが0.5~1.0sの間の加速度が4G(重力加速度の4倍)近くまで上昇しており現代建築物に大きな初期水平荷重が作用したことがわかります。
言い換えれば現代建築に大きな被害が出たことを示しています。

同じく1~1.5秒の加速度も阪神淡路大震災ほどではありませんが比較的大きく1G程度です。
この辺の固有周期を持つ伝統的建築物は被害を受けたものがあったと思われます。
その一つが阿蘇神社の桜門と拝殿だったかも知れません。

黄緑の線は東日本大震災のものですが応答周期が0.5秒以下で加速度は振り切れるほど大きいですが急激に低下しています。
ですから被害はそう大きくは無いものと思われます。といのも瞬間的に大きな力を受けた建物は亀裂が入ったり、仕口が緩んだりして、固有周期が長くなるので大きな力を受ける時間は大変短いからです。

長くなりましたので続きは次回に譲ります。


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2017/06/15(木) ニュース コメント(0)

古民家は材料が太いから強い?


久し振りの更新です。

先日遠賀郡にある古民家のリフォーム現場に行きました。会員の藤田材木店が手がける物件です。

築120年の堂々たる民家で、遠賀川の川沿いにあります。

この頃の構造材はとにかく太いのが特徴で、これは遠賀に限った話ではなく日本全国共通です。

梁せいは太いもので600mm、柱は200mmを超えています。



現代住宅では太い松を入手するのは難しいので杉材は細く、梁は太いもので360mm、柱は120mmがいいとこです。

というより集成材などの細い材が多く使われています。

細い材料を効率的に使うのはよいことではないか。どこに問題があるのか?

地震も無く、台風もない温暖な地域ではこれでよいのですが、わが国のように特に大きな地震が予想される地域では

大変問題があります。

熊本大地震では現代住宅も倒壊していますが古民家も多く倒壊しています。老朽化や施工不良であればどんな材料を使っても

壊れます。

太い材料が入手できないなら細い材料を使って、しかも強い建物を造るというのが技術ですし知恵です。

現代住宅はこのことを目指して筋交いやツーバイフォーのような壁構造で地震に耐えます。

老朽化や施工不良は別としてこの現代住宅は理屈では阪神大震災並みの地震では壊れません。

しかし地震の揺れ方は様々ですし、震度も7を超えないという保証はありません。
荷重変位曲線
この荷重変位曲線は5年前の実験データです。

M-1~M-3は杉無垢材120X120mm角を単純曲げした時のデータです。

荷重が14~18KN付近で突然破壊します。すごい音がします。

このデータで言いたいのは木材は曲げ荷重を受けるとこのように脆性破壊するということです。これは引張りでも圧縮でも同様の傾向を示します。

すなわち壊れるときは一気に壊れるということで材料の太さには関係ありません。

有る程度まで強いが脆いのが筋交いやツーバイフォーの特徴です。

これは人間が住む建物にとっては非常に問題です。

突然建物の下敷きになる可能性があるからです。

それではどうすればよいのか?

その対策は次回をお楽しみに。

2017/05/31(水) ニュース コメント(0)

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